アクセシブルな書籍等の提供体制及び製作状況に関する調査をきっかけに考える点字図書館・公共図書館・学校図書館（盲学校）・大学図書館の現状と課題

成松一郎（読書工房代表・専修大学講師）

厚生労働省委託「点字図書館等におけるアクセシブルな書籍等の提供体制及び製作状況に関する調査研究事業」に読書工房として協力。
・公共図書館（障害者サービス実施館）向けアンケート集計作業
・視覚特別支援学校（盲学校）における学校図書館向けアンケート集計作業
・点字図書館（視覚障害者情報提供施設）向けアンケート集計作業
・ヒアリング調査（大学関係・点字出版所）
・報告書のレイアウト編集作業

上記作業を担当した経験をふまえつつ、今回は、私の立場（出版社の書籍編集者、大学の兼任講師、学生ボランティア出身）から発表させていただきます。

１．アクセシブルな書籍について
①「アクセシブルな書籍」というのは、１種類の絶対的なメディアが存在するのではなく、多様なニーズに応じた複数メディアが存在し、それらが複数提供され、利用者が自由に「選べる」ことが大切である。

②かつては、それらはバラバラに製作され、すべてボランティアの尽力だけに依存してきたが、今後はワンソース・マルチユース型のシステム整備が求められる。
⇒当然、図書館だけがここに関わるのではなく、出版社と一緒にシステムを完成させていく必要がある。
＊2019年の読書バリアフリー法成立以降、やっと議論のスタートラインについたところ。
（例）出版業界では、アクセシブル・ブックス・サポートセンター（ABSC）をJPO（日本出版インフラセンター）の中に設置することとなり、現在、各出版社に対して、ABSC連絡窓口を設置するようによびかけている段階。
＊モデルになるのは、2008年成立の教科書バリアフリー法。成立以降、教科書会社自身による拡大教科書発行、ボランティアに対する電子データ提供などが実現。また、紙の本と同時にアクセシブルな電子書籍が発行されることが望まれる。（図書館の電子図書館サービスにそれらのタイトルが登録され、利用されること）

２．提供体制について
＜公共図書館＞
①2019年読書バリアフリー法成立以前から、「バリアフリー図書」として、棚づくりなどが一部の図書館で設置されてきた。
②出版されている「バリアフリー図書」の種類が限定されているため、蔵書構成の幅がつくりにくい。

＜学校図書館＞
①予算が限られているため、そもそも蔵書化しにくい。
②ボランティアについては、「読み聞かせ」が中心となっている。一部、拡大写本、点訳、音訳など。

＜点字図書館＞
①図書購入よりも、ボランティアによる製作がメイン。
②利用者層の拡大が課題？
（例）視覚障害以外の利用者へサピエ図書館のＰＲができているのか。会員登録が進められているのか。

３．ヒアリング調査について
＜大学関係＞
①大学図書館は、一部アクセシブルな書籍を蔵書しているところもあるが、実際には資料的な蔵書である可能性が高く、ほとんどの場合、利用者を想定したものではないと考えられる。
②利用者へのアクセシブルな資料提供は、おもに各大学ごとに設置されている障害学生支援室が担当している。私が今回のヒアリングとは別な機会にヒアリングをしたところ、ある大学では、教科書採用されている書籍を出版している出版社にデータ提供を依頼したところ、３分の２は提供してもらえたと回答。他の大学では、約３分の１という回答もあった。
③大学の教科書においては、１冊丸ごと授業で扱うケース（語学など）と、一部の章や節だけを部分的に扱うケースがあり、１冊丸ごとであれば、大学図書館の蔵書化の可能性があるが、部分的なデータの場合、蔵書にはできないとされている。（教員が授業用資料を作成する場合、教員からデータを提供してもらい、支援室から学生に提供はするが、アーカイブ化はしていないケースが多い）
⇒障害学生支援室間のネットワークなどを利用し、アーカイブ化を図っていく可能性？

＜点字出版所＞
①点字教科書の製作がメイン。その他に選挙公報に準ずる点字資料や、自治体広報類などを製作。基本的に読者からのリクエスト製作はコストがあわないため、ほとんど製作実績が無い。
②理療科の教科書については、令和５年度版より、以下の組み合わせで製作される。
・点字＋音声デイジー
・墨字拡大版＋ＵＤブラウザ
・点字＋点字データ

４．ボランティア等（製作人材）の養成・活動状況
＜公共図書館＞
①今回の調査は、全国の公立図書館343館を対象にし、310館（回収率90.4％）のデータ集計となっているが、全国のおよそ１割の公共図書館を抽出しており、かつ抽出されているのは、いわゆる「障害者サービス」が実施されているとみなされている図書館のため、全国の公共図書館（約3,300館）においては、製作系ボランティアの養成・活動状況はきわめて限られていると考えられ、基本的な取り組みとしては、製作されているアクセシブルな書籍を購入することがメインと考えてよいと思われる。
②弊社は、2013年より全視情協書籍管理事務局を務めているため、点訳や音訳の教科書がどこに販売されているのか、ほぼ把握しているが（取次会社経由は不明）、おもに社会福祉協議会やボランティア団体宛となっていて、公共図書館は会場を提供していたとしても、実際に養成まで行っている図書館は限定されていると思う。
（参考）図書館協力者・ボランティア養成講習会の実施について（N＝310）
実施した　119館、実施していない　134館　無回答　57館

＜大学関係＞
①おもに障害学生支援室が、学内の学生を対象に養成を行っているケースが多い。時給や文字数などによる報酬を用意しているケースが多いと思われる。
②対象となる障害学生が在籍する時期は活動するが、在籍していない時期には、活動がストップし、ノウハウが継承されないケースも見られる。
⇒やはり大学外部にネットワーク事務局などが必要なのでは。



５．ICT機器の情報提供や利用支援の状況等
＜公共図書館＞
①そもそも視覚支援機器やICT機器などが設置されていない図書館がほとんど。
（例）N＝310
・デイジー再生機等の貸出　142館
・デイジー再生機やタブレットの操作説明や講習　55館
・パソコンやスマホの操作説明・講習　15館
・ICT機器の情報提供、相談先の紹介等　70館
※公共図書館で、たとえば拡大読書器やルーペがどのように扱われているかを、最寄りの図書館で確認いただければ、現状がよくわかると思う。
②そもそも職員への研修が実施されているのかどうか。ほとんどされていないと考えられる。
③コロナ禍でクローズアップされてきたリモート型講習、サポートの可能性はこれから検討していく必要があると思う。
⇒私が事務局長を務めるＮＰＯ（バリアフリー読書支援センター）がサポートマニュアルを作成するなどして、実証実験を行ってみたいと考えている。

以上
